「君、凛々と」
収録した単行本の取扱書店:Apple iBooks| Amazonキンドル|eBookJapan|紀伊国屋書店Kinoppy|コミックシーモア|コンテン堂|セブンネット|SONYリーダーズストア|DMM電子書籍|note|ひかりTVブック|BOOK☆WALKER|ブックパス|BOOKFAN|BookLive!|honto|まんが王国|楽天Kobo|Renta!|ほか
*配信終了・配信開始前の場合があります。
この読切を1話単位で購読可能:note(読み切りマンガ集)「君、凛々と」
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雑誌初出:2006年1月12日発売 増刊ヤングジャンプ漫革 vol.50 掲載読切・同題(34P)
電子版編集:諏訪 菓(フリー・業務提携)
原版本版元:日本文芸社/原版単行本編集:週刊漫画ゴラク編集部
中村珍短編集 ちんまん|日本文芸社|当時定価 637円|2009年10月19日
2009年に日本文芸社より刊行され2017年に絶版となった著者初の短編集を、シリアス・コメディの2冊に分けて電子版として再編。
Author’s Note
公開によせて(2018年6月)
当時、新人賞向けに描いた出征の漫画(19歳だったので、年齢と中身のギャップで行こうと思って入賞対策として〈戦争モノ〉を選んだ)を別の編集部の編集さんが気に入り、「うちでも出征モノで」と、もう一度、カップルが離れ離れになるやつをやってくれという旨の指示をもらって制作しました。好きな人と好きな人同士の精神性としては、(拙い原稿ですが)結構気に入っています。
ただ、今より遥かに若かった頃のものとして読み直してみると、私もハタチでしたし、担当さんも二十いくつのお兄ちゃんで、多分お互いに戦争というのを「別れが引き立つ舞台装置」的な観点だけで選定していたんじゃないかなと思います。物語を作る上では全然よくある視座だと思いますし、他国軍やフィクション世界観でやらずに日本軍でやった理由は実務的で、資料が充実していることと、服装一つで時代背景の説明がつくからなのですが、それにしても随分気軽に、日の丸背負った感じの画稿を描いたものだな…と思いました。
史実を舞台装置にすることに年々抵抗は増してきたし、年を重ねるにつれ、当時と違って「これを描いて」と言われても気が進まなければ断りつつ働くというスタンスで暮らせるようになったので、実在する戦争を主な舞台とし、戦時中の出来事と主題を絡めたものは12年前に描いたこれが最後だろうと思います。
それから、当時はいわゆる青年誌であるヤングジャンプとモーニングの所属作家だったので、日常的に「男はこう」「女はこうかもしれないけど男はこう」という価値観の中で労働し、物語を作るための要素を取捨選択していたので、今見るとビックリするくらい、男と女を隔てて描いているなぁと(…昭和10〜20年代の話なので、男女の価値観みたいなものがパックリ別れているほうがある種、自然なのかもわかりませんが…)面食らってしまいました。
今読んだ感想は、「いや、男の涙が、たまあに、に限定する意味ないんじゃないかな…」とか、「女が暢気に泣く」っていうフレーズ自体どこか妄想上の女子供というか、「泣くほどの事態が暢気なもんか!」と思いました。
物語は、タツの「どっちの国もこれ以上私から何を奪おうってのかしら…」がすべてで、あとは、そのうち正之介がいい年齢になったら、この物語の世界の先で、仲睦まじく暮らしてもらうことを決めて描きました。
2018/6/14